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講義名 家庭経営学概論
代表ナンバリングコード
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
代表曜日 火曜日 代表時限 3限前半
校地 町田キャンパス
授業科目の区分 専門
実務経験の有無
開設学科・年次 生活デザイン学科・1年次
必修・選択の別 選択

所属名称ナンバリングコード

担当教員
職種氏名所属
教授◎ 河田 敦子指定なし
教授上村 協子指定なし

授業概要(教育目的) 人間が人間らしく生きる拠点が家庭であり、家庭生活を中心とした家族・コミュニティの営みが家政=家庭経営である。現代社会における家庭経営の課題を、「家族」「ジェンダー」「消費者」をキーワードに、概説する。特に、親と子、夫と妻など家族を核とする人と人の関係や、仕事や消費といった日々の生活と生命の再生産の営みを中心に現代社会の危機的状況を生活者の視点から見直し、誰もが安心してくらせる、持続可能性のある消費者市民社会につくりかえる方法を、自分の生活設計と重ねながら考える。今年度は、2019年度まで相模原市で消費生活総合センター所長を務めておられた萩原康秋氏をお招きして「消費者」とはどのような存在なのか、その生き方をご講義頂き、考察を深める機会を設けている。
学習計画
授業テーマ学習内容(アクティブラーニング・情報リテラシー教育・ICT活用を含む)教室外学習(予習・復習)の内容教室外学習の時間(分)
第1回現代社会における家庭経営の枠組み家庭経営学の定義、家族の定義、生活時間等家庭経営学で頻繁に用いる概念について解説する。授業後、レジュメを良く読んでおくこと。120分
第2回社会における「家庭」
パブリックとプライベートの領域
社会における家庭の位置、その機能をパブリックとプライベートの概念に基づいて学ぶ。レジュメを良く復習しておくこと。180分
第3回地域と消費者市民社会日本の家庭経済の時代変化を産業構造や家族の変化と関連させながら概説する。具体例として女性農業者のエンパワメントにはどのような意義があるか。教科書pp・110~119を参考に検討する授業後、金融広報中央委員会「これであなたもひとり立ち」ワーク1~5のいずれかを使った家庭科授業のアイデアをレポートにする。180分
第4回生活経営~新しい価値・規範の創造へ~現代社会において家族・家庭がどのような状況にあるかを、主に津敬資料を用いて考察する。グラフの読み取り方、その現象の意味について学ぶ。授業前後に教科書pp.7-15を良く読んでおくこと。180分
第5回 経済生活設計と金融リテラシーグローバル化・キャッシュレス化がすすみ経済格差が広がっている。18歳成年年齢引き下げのなか貧困の連鎖を防ぐ金融リテラシーを教科書pp67~74を参照し学びエンパワメントの方法を考える。授業後、金融広報中央委員会「これであなたもひとり立ち」ワーク1~5のいずれかを使った家庭科授業のアイデアをレポートにする。180分
第6回地域と消費者市民社会人生100年時代の自助・共助・公助を学び、pp102~110を参照し地域のコミュニティデザインによる公正で持続可能な消費者市民社会について考察する。授業後、金融広報中央委員会「これであなたもひとり立ち」ワーク11~のいずれかを使った家庭科授業のアイデアをレポートにする。180分
第7回消費者としての生き方萩原康秋先生による講義。萩原先生は、2019年度まで、相模原市 市民局 消費生活総合センターの所長であられた。「消費者」とは、社会の中でどのような存在なのかを、人間の生き方として広い視野でお話頂く。第3回、5回、6回で行われた消費者に関する授業内容をよく理解しておくこと。180分
第8回家庭経営とジェンダー(1)現代社会におけるワークライフバランス女性が社会で働くことが社会に定着するようになってからまだ日は浅い。それはなぜか。男女共同参画社会はどのようにしたら実現可能なのかを考察する。この部分は教科書には無いので、授業後レジュメを良く読んでおくこと。120分
第9回 家庭経営とジェンダー(2)近現代日本におけるジェンダー構造の変動 近現代日本社会でジェンダーの構造はどのように変動してきたのかを、江戸時代も含めて概説する。この部分は教科書には無いので、授業後レジュメを良く読んでおくこと。120分
第10回江戸時代の女性の生き方江戸時代の女性の生き方について学ぶ。日本においてジェンダー構造が大きく変動したのは、明治中期であることは前回学んだ。では、それ以前の江戸時代の女性はどのように生きていたのか、只野真葛、内藤ます等の女性の生き方から、現代女性として自らの生き方についての考えを深める。江戸時代の女性にはどのような人がいるかを調べておくこと。可能であれば参考文献②を読んでおくことが望ましい。180分
第11回出産と子育て女性の合計特殊出生率が急激に低下している日本社会における出産と子育てについて、その歴史的変遷も含めて概説する。30問程度の中間テストを実施する。授業内で河田が配布したレジュメと教科書pp.33-49を参考程度に読んでおくこと。240分
第12回家族・家庭と法律 婚姻・親権・相続等家族がどのような法律によって、どのように規定されているのかを、民法をもとに概説する。この部分は教科書には無いので、授業後レジュメを良く読んでおくこと。120分
第13回少子高齢化社会と福祉 少子高齢化が急速に進む日本社会では、どのような問題が生じ、それをどのように解決して行ったらよいのかを、概説する教科書pp.137-169を授業の前後に良く読んでおくこと。120分
第14回少子高齢化社会における生活設計少子高齢化や家族をめぐる社会問題が顕在化した事件や新聞記事を紹介し、関心のあるテーマ毎に分かれて、グループディスカッションを行う。自分にとっての少子高齢化社会における生き方を見つめる機会である。前回の授業と教科書で学んだことをもとにディスカッションを行うので、自分の考えをまとめておくこと。180分
第15回 家庭と環境問題 持続可能な社会づくりのための家庭経営グループ毎に前回ディスカッションした内容をまとめて発表する。期末レポートを提出する。関心のあるテーマを持つ者同士が集まってディスカッションをした内容を、代表者がプレゼンする。420分
学生へのフィードバック方法 中間テストは、模範解答と共に返却します。
プレゼンテーション時には、随時コメントします。
評価割合 平常点 (グループディスカッション、プレゼンテーションを含む) 20点
小テスト(30%)・レポート 50% 
使用教科書名(ISBN番号) 日本家政学会 生活経営学部会編 『暮らしをつくりかえる生活経営力』朝倉書店 2010年

参考図書 ①原ひろ子著『生活の経営―21世紀の人間の営み―』放送大学教育振興会 2002年
②柴桂子著『近世おんな旅日記 (歴史文化ライブラリー ; 13)』吉川弘文館 1997年
③河田敦子著 加藤時男翻刻 『幕末明治の女性 内藤ますの生涯とその教養形成過程』お茶の水女子大学グローバルCOE「格差センシティブな人間発達科学の創成」2010年
④日本家政学会・生活経営学部会編『暮らしをつくりかえる生活経営力』朝倉書店 2014年・臼井和恵編著『21世紀の生活経営 自分らしく生きる』同文書院 2011年
⑤山口一男『ワークライフバランス』日本経済新聞出版社2009年
ディプロマポリシーとの関連 【知識・理解】「衣」「住」「コミュニケーション・情報」「地域・園芸・ビジネス」「家庭科教育」の各分野 について、専門的知識・技術を有している
【思考・判断】社会の中にある諸課題を自 ・社会の中にある諸課題を自 ら発見し、論理的に分析し考察することができる。また、各種の多様な情報を客観的に理解し判断して行動できる。
学生へのメッセージ 生活者としての視点から現代の家族問題や女性の生き方、ジェンダーの問題、消費者の様相を相対化して考察できる基盤を培ってほしいと念願します。
教職必修
オフィスアワー 前期水曜日4限(アポイントメントを取り、時間調整を行うこと)
評価方法 ・中間テストは30問程度で、穴埋め方式である。
・期末レポートの課題は、「現代社会の状況を踏まえて今後の自分の生き方を考える」である。1600字以上。
履修条件 特になし
ナンバリング D11103M21
学習計画注記 特になし
教育等の取組み状況
該当有無 概要
実務経験を活かした授業
アクティブ・ラーニング
アクティブラーニング:第14回の授業ではディスカッション、第15回の授業では発表の機会を設けてある。
情報リテラシー教育
ICT活用
評価基準
評価基準
評価方法 知識・理解(K) 思考・判断(K) 関心・意欲・態度(V) 技術・表現(A)
中間テスト
期末レポート
グループディスカッション
プレゼンテーション
学習目標(到達目標)
学習目標(到達目標)
知識・理解の観点 (K)
家庭生活が個人にとって、社会にとってどのような役割を持っているかを理解できる。
思考・判断の観点 (K)
多様で急激な社会変動の中で、どのように家庭生活を営むかを自律的に構想できる。
関心・意欲・態度の観点 (V)
自分の現在の家族・家庭のあり方を見つめ、広い視野で将来設計に取り組める。
技術・表現の観点 (A)
人間の生き方や家族・家庭について豊かな感性と言葉で表現できる。